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Outlook®のデータファイル(.pst)の格納先を変更する方法

Microsoft® Outlook®をインストールするとメールや連絡先等を格納するデータファイル(「.pst」ファイル)はデフォルトでは「ドキュメント」フォルダの下に作成されます。 この「.pst」ファイルをコピーすることで、PCを入れ替えたりした場合に他のPCへメールデータを引き継いだりすることができます。 また通常、「ドキュメント」はCドライブに作成されますが、他のドライブへ移動する場合も同様の手順で「.pst」ファイルの格納場所を変更することができます。

初出:2021年10月9日

pstファイル 格納フォルダの変更 pstファイル 他のPCへ移動

概要

「.pst」ファイルの格納場所を変更したり、他のPCへ引継ぐにあたり、「.pst」ファイルの格納フォルダの確認から「.pst」ファイルのコピーや「メール配信場所」の設定の流れを説明します。

実際の作業ではアプリの停止や「.pst」ファイルのバックアップを忘れがちとなりますが、落ち着いて作業してくださいね。

「.pst」ファイルの格納場所変更の流れ

(注意①Outlook®アプリ終了は忘れずに)

アプリを動かしていると移動したい「.pst」ファイルがロックされて移動できなかったり、コピー中にメールが受信されて更新されたりして「.pst」ファイルが壊れて、最悪の場合は受信メールを喪失してしまうことがあります。「.pst」ファイルをコピーするときは必ずアプリを停止するようにしてください。

(注意②「.pst」ファイルのバックアップも忘れずに)

ローカルに保存されるデータファイル名は「*.pst」となっています。格納場所を変更するファイルは、念のためファイルのタイムスタンプを確認して間違えないようバックアップしてください。「.pst」ファイルはOutlook®を長年使用していると数GBとなっている場合もありバックアップ対象の媒体が限定されたり、数十分以上かかる場合もあります。

あらかじめ不要なメール(受信したメールや、送信したメール)を削除しておくことをおすすめします。 バックアップした「.pst」ファイルは作業終了後も問題なく動作することが確認できるまでは大切に保管しておいてください。何かトラブルがあった場合でも、ここでの格納場所変更手順でバックアップ時点の状態には復元できるはずです。

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「.pst」ファイル格納場所の確認

「アカウント情報」から格納場所を変更する「.pst」ファイルの格納場所を確認します。

「.pst」ファイルの確認(手順1) 「.pst」ファイルの確認(手順2)

「アカウント設定」が表示されたら「データファイル」タブをクリックして対象となるメールアドレスが記載された「名前」の行の「場所」が格納場所となります。 実際に格納されているフォルダを開いて、対象の「.pst」ファイルのタイムスタンプも確認しておきます。

「.pst」ファイルの確認(手順3)

Outloook®アプリの終了

アプリの停止を忘れて「.pst」ファイルのコピーを行うと、移動後にOutlookが起動しないなどの問題が発生することもあるため、忘れずにアプリは終了させましょう。何度も手順を繰り返したり、あわてて作業すると意外と忘れやすいので十分注意してください。

アプリの終了
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「.pst」ファイルのバックアップ

さきほど確認した「.pst」ファイル格納先のフォルダから、対象の「.pst」ファイルを任意のフォルダにコピーします。 コピーには数分から数十分かかる場合があります。「.pst」ファイルは重要なメールなどが含まれている場合もあるため、コピー中はコピーが失敗しないよう、コピーが終了するまではPC上での他のアプリの使用は行わないことを推奨します。

コピーしたファイルは格納先の変更作業が終了後もしばらくは保管しておいてください。もし不具合がある場合は再度ここから復元することが可能となります。バックアップした「.pst」ファイルは変更後も変更前と同様に動くことが確認できてから削除するようにしてください。

「.pst」ファイルのバックアップと変更先フォルダへのコピー

変更前「.pst」ファイルとアプリの関連付けを解除

コピーが終了したらアプリを起動して、変更前の「.pst」ファイルをアカウント設定から削除します。

アプリとの関連付け解除(手順1)

確認ダイアログボックスが表示されたら「はい」をクリックします。メールアカウントは残るため配信先の「受信トレイ」が無くなることについての確認メッセージのようです。これは「.pst」ファイルの格納先を変更後に再設定して復元します。

アプリとの関連付け解除(手順2)

変更後「.pst」ファイルとアプリの関連付け

関連付けを解除(「データファイル」タブから削除)が終了したら、再度「データファイル」タブから「追加」を選択して、新しい格納にコピーした「.pst」ファイルを追加します。

アプリとの関連付け(手順1)

ダイアログボックスが表示されたら「Outlookデータファイル(.pst)」を選択して「OK」をクリックします。

アプリとの関連付け(手順2)

ファイル一覧が表示されたら関連付けしたい「.pst」ファイルを選択します。

アプリとの関連付け(手順3)

「データファイル」タブに戻り、ファイル一覧から選択した「.pst」ファイルが表示されていることを確認します。これで関連付けは終了です。

アプリとの関連付け(手順4)

「メール配信場所」の再設定

「.pst」ファイルとアプリの関連付けを解除したときに表示された確認メッセージに対応する手順です。格納先を変更した「.pst」ファイルに関連するメールアカウントのメール配信先「受信トレイ」を再設定します。

「メール」タブから格納場所を変更した「.pst」ファイルのメールアカウントを選択します。

メール配信先の再設定(手順1)

配信したいメールアカウントの「受信トレイ」を選択します。

メール配信先の再設定(手順2)

「フォルダーの変更」ボタンの横に表示されている受信トレイが先ほど選択した受信トレイに変更されたら「閉じる」ボタンをクリックして終了です。

メール配信先の再設定(手順3) メール配信先の再設定完了
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【補足①】別のPCへ「.pst」ファイルを引継ぐ場合

「.pst」ファイルの格納場所の変更の応用編として、「.pst」ファイルを他のPCへ引継ぐこともできます。

格納場所の変更の際にバックアップした「.pst」ファイルを引継ぎ先PCのOutlook®のメールアカウントを作成時に指定することで「.pst」ファイルを引き継ぐことができます。

新規メールアカウントの作成

「アカウント情報」画面から「+アカウントの追加」ボタンをクリックしてアカウントの追加を行います。

メールアカウントの追加 メールプロトコル等の選択

引継ぐ「.pst」ファイルを指定

メールサーバの詳細情報を登録する画面で「メッセージ配信-既存のデータファイルを使用」にチェックをいれて、引継ぎ元からコピーした「.pst」ファイルを指定します。

引継ぐ「.pst」ファイルの指定

メールアカウント登録完了

これ以降は通常のメールアカウント作成と同様です。メールパスワードを入力してメールアカウント作成を完了します。

メールパスワードの入力 メールアカウント登録完了

新規メールアカウントを追加した場合は「メール配信場所」も合わせて設定されます。格納場所の変更の場合のように、あらためて配信場所を設定する必要はありません。

【補足②】Outlook®が起動しなくなった場合の対応

Outlook®起動時に「フォルダーセットが開けません」とのエラーが表示されたので、コントロールパネル(クラッシック表示)から「Mail(Microsoft Outlook(32ビット)」を選択し、Outlook®の「アカウント設定」画面を開いて、操作することで復旧できたことがあります。すべてのケースで有効かどうかは検証しておりませんが、参考のため記載しておきます。

コントロールパネル(クラッシック表示)から「Mail」を選択

クラッシック表示でのコントロールパネル画面から「Mail」を選択します。

コントロールパネル(クラッシック表示)からMail設定を起動

「データファイル」を選択します。

「メール設定」画面から「データファイル」ボタンをクリックします。

メール設定画面からデータファイルを選択

アカウント設定画面が表示されます。設定されている状態を確認しながら必要に応じて再設定等を行ってください。

Outlook®アカウント設定画面が表示された

私は「.pst」ファイルの格納先を変更中に既定の「.pst」ファイル変更を実行していたところ、Outlook®がハングしました。 そのときはマウスが砂時計状態となり10分待っても終了しなかったのですが、上記の手順では数秒で終了し、その後Outlook®が起動できるようになりました。

Outlook®を起動しなくともアカウント設定画面が操作できるため、他のトラブルのケースでも復元できる可能性があると思います。

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編集後記

「.pst」ファイルの操作は普段あまり実施することは無いため、操作時はトラブルになりがちです。「.pst」ファイルの操作中は私のようになぜかOutlook®がハング(実際は何か処理をしているのかもしれません)したりすることもあります。 蓄積されたメールや連絡先は重要なデータが含まれていることが多いため、非常に影響が大きくなるのが一般的です。

トラブルに見舞われても最悪の事態を回避するために、必ず「.pst」ファイルのバックアップは取っておくようにしましょう。「.pst」ファイルさえあれば、さまざまなやり方ででバックアップ時点までは復旧可能となります。

今回は複数のメールアカウントがある場合の「.pst」ファイル格納先の変更手順を説明しました。メールアカウントが一つしかない場合は、一時的にダミーのメールアカウントと「.pst」ファイルを作成すると、ここでの説明が流用可能となると思いますが、こちらはまだ検証していないため、機会があれば紹介したいと思います。

(執筆にあたり使用した環境)

  • Microsoft® Outlook® for Microsoft 365 MSO(バージョン2109 ビルド 16.0.14430.20154)32ビット
  • Microsoft® Window10 Home、バージョン:21H1、OSビルド:19043.1266

※環境で使用したソフトウェア、製品及びサービスはマイクロソフトの登録商標です。

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